はじめに
こんにちは!TechBull 運営/広報の田場(@tabamarine220)です。3月25日に開催された golang.tokyo#38 に参加してきたので、イベントの様子をレポートします。現地では30人以上、オンラインも含めると100人以上参加と、大盛況のイベントでした!
golang.tokyoとは
golang.tokyoは、プログラミング言語Goの普及を推進するコミュニティです。Go導入企業のメンバーを中心にLT大会などのイベントを開催し、Gopher同士で交流ができる場となっています。今回は、ミダス渋谷ラウンジで開催されました。
会場の雰囲気
Go歴1年目の初心者からベテランまで、幅広い層のエンジニアが参加していました!Goとの関わり方も、現在仕事で使っている人、転職を機にキャッチアップ中の人、趣味で勉強している人など、参加者によって様々でした。
LT発表
今回は、以下の5つの発表がありました。
Go製のマイグレーションツールの git-schemalex の紹介と運用方法 | @mwudo |
slogによる構造化ログの実装とCloudWatch Logs Insightsでの利用 | @rubita_isi |
Goのanalysisパッケージで自作するリファクタリングツール | @38xxer |
Go1.24におけるgo vet事情 | @knkurokuro7 |
sqlcでgeometry型を扱うときに気をつけるべきこと | @西尾健人 |
- Go製のマイグレーションツールの git-schemalex の紹介と運用方法
この発表では、git-schemalexの紹介とメリット、デメリットについて共有されました。git-schemalexは、DBスキーマの変更をGit上で効率的に管理できる便利なツールです。CIに組み込むことで、スキーマ変更によるSQLの差分をチェックでき、変更の安全性を高めることに役立ちます。しかし、残念ながらMySQL以外のRDBMSでは使えないというデメリットがあるようです。アップデートも積極的には行われていないので、使用する場合は自己責任で、とのことでした。
- slogによる構造化ログの実装とCloudWatch Logs Insightsでの利用
既存のログを一新し、slogで統一した実例の発表でした。slogとは、Go1.21で標準ライブラリに追加された、構造化ログをサポートするパッケージです。slogの特徴や使用するメリット、具体的な実装方法について説明があり、導入を検討するきっかけになるLTでした。
- Go の analysis パッケージで自作するリファクタリングツール
この発表では、大量のコードのリファクタリングを、効率的に行う方法が共有されました。Goのコードを静的解析するためのパッケージgo/analysisと、go/astを組み合わせることで、ASTから特定のパターンを検出し、自動で置き換えを行うことができます。egというツールについても紹介があり、before/afterのコードの形を定義すると、そのパターンを検出して自動変換が行えるということでした。
- Go1.24におけるgo vet事情
最近のgo vetのアップデートに関する発表でした。go vetは、複数のアナライザをまとめて実行できる静的解析ツールで、コンパイラでは検出できない問題を見つけることができます。Go1.24からは、go testコマンド実行時に、信頼性の高いvetアナライザが自動で実行されるようになりましたが、その一つとしてtestsアナライザも含まれているようです。
このLTを通じて、go vetのアップデートの背景や意図を理解することができました!
- sqlcでgeometry型を扱うときに気をつけるべきこと
sqlcでgeometry型を扱いたい場合の、具体的な手法が共有されました。sqlcはSQLファイルからGoのコードを生成する便利なツールですが、PostGISなどで使われるgeometry型を正しく認識できず、interface{}として扱われてしまうようです。geometry型をカスタム型にバインドすることなど、実際に解決したやり方についても説明がありました。また、ewkbパッケージを使って、GoでPostGISのgeometry型(EWKB形式)を簡単に扱う方法についても紹介がありました。
懇親会
LT会の後に懇親会が開催されました。
主催のミダスキャピタル様からは、クライナーなどのドリンクや軽食の提供があり、カジュアルな雰囲気で懇親会を楽しむことができました!
懇親会は、グループ分け等なく自由に交流するスタイルで、発表について登壇者に質問したり、その他普段の開発について話したり、各所で興味深い話が繰り広げられていました!
おわりに
今回初めてgolang.tokyoに参加しましたが、学びが多く楽しいイベントでした!LT発表や懇親会を通して、日々の開発で役立つノウハウを知ることができ、特にGo標準のツールやパッケージについて知る良いきっかけとなりました。今後もこのようなイベントに参加し、知見を広げていきたいと思います!

@adachin0817とは共通の同僚と知り合いでコミュニティに参加。学生時代はプログラミングスクールでメンターの経験。現在は24卒Webエンジニアとして、金融ドメインのSaaS開発に従事している。フロントエンドからインフラまで、フルスタックにできるエンジニアを目指している。TechBullでは記事の執筆からイベント運営と広報を担当。