未経験、駆け出しエンジニアへ捧ぐ自作キーボードのススメ

はじめに

初めまして、adachin0817 に誘ってもらいこの度 TechBull に記事を書くことになりました、Kohta (@lorentzca) と申します。

現在はサポートエンジニアとしてサーバーレスIoTIaC などの分野をフラフラしております。趣味は釣りやキャンプ、ハイキングといったアウトドア色々と、FF14 です (黒魔道士メインで活動しています)。3 歳の子供がいて、そろそろ一緒に釣りやキャンプに行こうと目論んでいます。

よろしくお願いします!

本栖湖のキャンプ場にて。

ここは未経験/駆け出しエンジニアのための Tech ブログということですので、今回は私のハマっている自作キーボードと関連して、「なぜ未経験/駆け出しエンジニアに自作キーボードがおすすめなのか」という観点から考えてみます。


自作キーボードとは

近年何かと話題になっている自作キーボード、もはや説明は不要かもしれませんが、自分で組み立てるキーボードを指します。

「自作ってどこから?」と思われるかもしれませんが、これもピンキリで、基盤の設計やデザインを 3D モデリングや 3D プリンターを駆使して行うガチ勢もいますし、市販のキットを購入して半田付けをしながら組み立てていく方法もあります。

一般的には、後者を指すことが多いかと思います。私も市販のキットを組み立てる勢です (まだ一から設計したくなるほど不満が無く…それくらいどれも完成度が高いです)。

以前 (数年前) は海外のコミュニティや海外の通販サイト、グループバイを駆使して必要なキットを集めるような形でしたが、現在は遊舎工房さん等、自作キーボードを扱う店舗が増えており、気軽に始められます。


なぜキーボードを自作するのか

人によって理由は様々だと思いますが、私の場合は市販にあるものよりもっとコンパクトなキーボードが使いたくなった、というところから始まりました。

それまで HHKB (テンキーなしの方) を愛用していたのですが HHKB のおかげでコンパクトで質の高い、斬新なキーボードに開眼してしまい、もっとコンパクトで斬新なものを…と探した結果、Planck という自作キーボードに辿り着き、グループバイで個人輸入し、使用していました。慣れるまで少し大変でしたが、指の移動が少ないことで指の疲れが改善し、このキーボードを一生大事に使おう、と思っていました。

が、左右分割タイプの自作キーボードがあることを知り、Iris という自作キーボードを個人輸入し、使用し始めました。現在は自作ではない、市販品での左右分割タイプのキーボードが増えてきましたが、当時は選択肢がほぼなく、左右に割れたキーボードを使いたければ自作キーボード (もしくは超高い市販品)、という流れでした。

Iris には本当に感動して、肩の凝りがはちゃめちゃに改善し、Iris こそが我がキーボード道の終着点なのだと思い数年間使用していました。

が、ここにきて新たに KeyBall44 の存在を知り、使い始めました。KeyBall シリーズはトラックボール付きキーボードで、これによりキーボードとマウスとの手の移動すら無くなり、手と腕の負担がさらに減りました。

KayBall こそ、我がキーボード道の終着t


なぜ未経験/駆け出しエンジニアに勧めるのか

お前はただ真っ当な人間を自作キーボード沼に突き落としたいだけなのでは?と思われるかもしれません。その通りです。いいえ、未経験/駆け出しエンジニアの方こそ自作キーボードを使うことに明確な利点があるのです。


プログラミングを活かせる

エンジニアとしてやりたいことがアプリケーション側なのかインフラ側なのかは分かりませんが、インフラ側だったとしても今時は IaC などでコードを読んだり書いたりする機会が何かとありますので、未経験/駆け出しエンジニアの方の多くの方が何かしらのプログラミングの学習はされているのかなと思っています。

せっかく学んだプログラミング、何かに活かしたいですよね?でもいきなり何かサービスを作ったりアプリを公開するのはハードルが高いですし、かといって他に何か身近に活かせそうなものも思いつかない…。

そこで自作キーボードです。 自作キーボードはほぼ例外なくマイコン (こんなやつ) を使用してキーボードの制御を行っています。マイコンにファームウェアを書き込み、どのキーを押すとどうなる、と定義しています。

このファームウェアもほぼ例外なくオープンソースのものが使われており、例えば以下が有名です。

このファームウェアは C 言語で書かれており、キーマップを定義する部分であればあまり複雑な処理を書く必要もなく、C 言語を学んでいなくても他の言語を知っているなら、自分で動作を書き換えられます。

例えば、KeyBall44 のキーマップの定義が書かれているコードは以下です。

レイヤーを増やしたり、自分がよく使うショートカットキーを一発で呼ぶキーにしたり、色々いじれます。

普段使うものに学習した知識を利用できるのは楽しいですし、モチベーションが上がると思います!

とはいえ、いきなりコードをいじるのは大変なので REMAP 等の GUI でキーマップを管理するサービスを使うと良いと思います。これで大まかに自分の使いやすいキーマップを作っておいてから、さらにコードを書き換えて使いやすいキーボードへ改造していくのがおすすめです。


体に優しい

ずーっとキーボードを叩いていると肩が凝ったり指が痛くなったり、不調が出てくることがあります。エンジニアとして働く場合一日のかなりの時間をキーボードの使用に費やしており、キーボードの使用で体に不調をきたすことは可能な限り避けたいです。

そこで自作キーボードです。 指の移動が少なくなるよう工夫されたキーボード、肩を開いて凝りにくくなる姿勢を維持できる分割タイプのキーボード、マウスとの手の往復がなくなるトラックボールやポインタ付きキーボード、なんでもござれです。

さらに、キースイッチも様々な種類があり、押し心地の重い/軽い、クリック感の有無、浅く押しただけで反応するもの等々自分好みに選べます。

私の場合、ホームポジションには重めの押し心地のものを、ホームポジションから遠い場所には軽い押し心地にものを使用しています。キーマップのレイヤーを切り替える特別なキーにはクリック感のあるものを使用し、直感的に操作できるよう工夫しています。

このように自作キーボードなら自分の体に合わせた、限界まで健康と快適性を追い込んだキーボードを実現できます。

特に未経験/駆け出しエンジニアの方で今までそこまで長時間キーボードを使うことがなかった、という方はおそらく体の不調も出やすいと思いますので、早いうちから快適なキーボードを使用することで肩や手の痛みの発生を防ぐことができると思います。


楽しい

これは未経験/駆け出しエンジニア関係ないですが、自作キーボードは楽しいです!

半田付けなど工作する楽しさはもちろん、自分だけのキーボードを作り上げていく楽しさも大きいです。特にキーキャップは様々なデザインのものが出回っていますので、作る人によって大きく個性が出る部分ですし、気に入った見た目のキーボードを使うとテンション上がります!

人気のキーボードはサードパーティ製のカスタムパーツを販売されている方もいたりして、なかなかの沼みがあります。私も KeyBall のサードパーティ製カスタムパーツをいくつか購入しています。

私の現在使用している KeyBall44 は以下です。打鍵感をよくするために見えない部分にウレタンマットを切り貼りしたり、色々いじっています。

右下の肉球キーキャップがチャームポイント。

最後に

楽しくて快適で体にも優しい自作キーボード、ぜひ作ってみてください。

とはいえ半田付けの道具などが無かったり、一から始めるのはハードルがあることも事実です。

なので、遊舎工房さんなど道具の貸し出しをされている場所へ行ったり、レンタルサービスを利用することもおすすめです。

あるいは知り合いで道具を持っている人がいたら (意外に身近な場所に沼の住人は居るものです…) お願いしてみましょう!

それでは、良きキーボードライフを!

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